家具との出会いは一期一会「 五感を刺激する 」カラフルインテリア。
家具との出会いは一期一会「 五感を刺激する 」カラフルインテリア。
子供の生活リズムを優先し、21時には消灯するというwakanaさん親子。
明るい時間帯は家事育児、この日も愛娘のヒサナちゃんに絵本を読み聞かせ、一緒にままごとを楽しんでいたが、夜になると布団に潜り、大好きなインテリアブランド&作家のSNSチェックが日課になっているよう。
「可愛いものが多くて」とやまない、彼女の収集愛にもフォーカスしながら、インテリアのMYルールを聞いてみた。
子育てをしながら、いかに楽しく暮らせるか。
wakanaさん夫婦がこのマンションに居を移したのは、今から3年ほど前。
「もし住むのなら」と親族間で賃貸契約を交わし、今年で2歳になる愛娘、ヒサナちゃんと旦那さんの3人で暮らしている。
リビングと寝室を仕切っていた壁を取っ払い、2LDKから1LDKに間取りを変更。
玄関を上がってすぐの洋室は夫婦のワークスペースに、テレビ前のスペースがヒサナちゃんとの遊び場になっている。
「昔からインテリア自体にはすごく興味があったんですけど、ここで生活を始める前まで短いスパンで引越すことが多く、できるだけモノを増やさないようにしていました。けれど、コロナ禍での妊娠、娘が生まれてからも自宅で過ごす時間が増えたので、だったら家にいる時間も楽しみたいなと」。
現代アートを観に行ったり古着屋を巡ったり、自身の好奇心を刺激するものに出合うため外出することが多かったという彼女。
そうやって外で受けていた刺激を、今では家の中に落とし込み、子育てをしながらいかに楽しく暮らせるか、日々インテリアを模索している。
娘を寝かしつけた後のSNSチェックが私の日課。
「退去後、元の状態に戻せばOK」という義父の許可を得て、壁紙を一部剥がし、無機質なコンクリート現しの空間に。
「これと言ったテーマはないんですけど、インダストリアルな空間にモロッコラグのようなエキゾチックなテイストを加えるのが好きです」。
長年抑えつけていた「インテリアを楽しみたい」という衝動を、現在の住まいで思う存分に発揮するwakanaさん。古着を買うときと同様、アンティーク家具・雑貨もどんな人が使っていたのか、そういった背景を考えるとワクワクし、海外から取り寄せることもしばしば。
ハンドメイドのセラミックレーベル<SHOKKI(ショッキ)>のプランター。歪さがなんとも愛おしく、まるで植物とともに生きているかのよう。
ヴィンテージミラーと古布を用いたパッチワークアート。
フランスのアーティストによる作品で、<FEELSEEN(フィールシーン)>にて購入。
「実は、作家さんが作った一点ものにも目がなくて。
アンティークなものも、作家さんの作品も出合いは一期一会。
ここ最近は娘を寝かしつけた後にインテリア・雑貨のECサイトや、お気に入りの作家さんのSNSなどをチェックするのが日課になっています」
どこを切り取ってもwakanaさんのこだわりが感じられるインテリア だが、グリーンの多さも印象的だ。話によると、グリーンを飾るきっかけは、旦那さんの両親からモンステラとポトス、サンスベリアを譲ってもらったのが始まり。
そこから、次第に増えてきた。
「主人はインテリアに無関心というか、もので溢れていても、そうでなくてもあまり気にしないっていうスタンスなんですけど、ビカクシダは気になるようで」。
ビカクシダとは、樹木や岩などに付着して成長するシダの仲間。葉の形が鹿の角に似ていることから“大きな鹿の角”を意味する「麋角(ビカク)」になぞらえそう呼ばれ、インテリアでは壁掛けや吊るしで飾られることが多い。姿形は、種類によってまちまち。
育て方、成長の仕方が非常にユニークで、インテリアに無関心だという旦那さんも、元・医師としての視点からか、生物学的に興味があるよう。
ほっこりし過ぎないよう、有機的×無機的の程よい塩梅を探る。
テレビボードは、ドイツ・ミュンヘン発祥のインテリアブランド<KARE(カレ)>のもの。
オリエンタル調の装飾がお洒落。
ソファーにちょこんと座り、大好きなテレビアニメに夢中。
日々の目利きによって集まったアンティーク家具・雑貨やアーティスト作品 、さらには多くの観葉植物たち。それらをうまくミックスさせるのに、彼女のセンスといえばそれで終いなのだが、何か意識していることはあるのだろうか。
「基本的には多彩な空間が好きなんですけど、部屋のバランスを取るために大物家具はそこまで主張のない渋めのものを選び、その上に色を載せています」
カラフルな色使いに圧倒されていたが、確かにそう言われると大物家具のほとんどが落ち着いた色合いの木製である。
「植物との相性が良い木製家具をたくさん置いているのですが、木製だけだとほっこりし過ぎてしまうので、スチールやプラスチック、アクリルなど異素材の家具を一部混ぜることで、部屋の雰囲気を引き締めています」
気づけば娘も装飾好きに?!
オランダから取り寄せたヴィンテージのスツールを観葉植物のスタンド代わりに。ショップバッグを鉢に被せることでインテリアとして愛でる。
自作した色鮮やかなアート。くしゃくしゃにしたリネンをキャンバスに貼り、その上からピンクに色付け。
「インテリアの色は3色まで」。
ファッション業界でも、スタイリングする上では色数を3色に抑えるのがベターな選択とされるが、wakanaさんはそんなルールよりも自身のときめきを優先する。
「選択したアイテムに色がたくさんあっても、逆に購入してからそのアイテムが馴染むよう配置に気をつけています」
最近は娘もインテリアに興味を持ち始めたのか、一緒になって植物を育ててくれたり「こっちにもお花を置かないと」なんて言われたり。
定石にとらわれず、常に模様替えしながら実験的にインテリアを楽しむ。最近は、そんな装飾好きが娘さんにも受け継がれているよう。
子育てをしながら家の中を多彩に装飾するwakanaさん。そうして作られた、このカラフルな空間は自身の心に余裕をもたらすだけでなく、子供の五感を刺激し、感性を養う空間でもあった。