インフレ対策としての「 持ち家という考え方 」はいかがでしょうか?
インフレ対策としての「 持ち家という考え方 」はいかがでしょうか?
もし将来的に急激なインフレが起きる可能性があるとすれば「 市場に応じて賃料が変わりやすい賃貸住宅はリスクが高く 」逆に持ち家はインフレ対策として有効という考えもあります。
そこで今回はインフレと住宅の関係について考えてみます。
インフレとは「インフレーション」の略で、物価が上がることをいいます。
つまり今まで100円で買えたものが200円出さないと買えなくなるといったことであり、物価が上がれば同じ金額で買えるものが少なくなってしまいますね。
したがって「モノの値段が上がる」(インフレ)ということは、逆に言えば「お金の価値が下がる」という意味にもなりそうです。
ただし、インフレは必ずしも悪いものではなく、適度な物価上昇 は「 企業の売上向上 → 賃金アップ 」と経済の拡大につながるので「 良いインフレ 」とも呼ばれています。
しかしながら景気後退と物価上昇が同時に進行したり(これを「スタグフレーション」といいます)、あるいは短期間のうちに急激な物価上昇が起こったり(これを「ハイパーインフレ」といいます)すると、資産や家計も大きな影響を受けることになります。
なぜ、持ち家はインフレに強いと考えるのか?
インフレとは「物価上昇=お金の価値の下落」なので、急激なインフレが起きるとまず影響を受けるのは現金資産です。
たとえば物価が2倍に上昇すれば、お金の価値は1/2に下落するということなので、もし長年かけて貯めた1000万円を自宅の金庫に置いていたら、せっかく貯めたその1000万円が額面はそのままでも「 実質的な価値としては500万円分に下がって 」しまうことになります。
逆にインフレに強い資産とされているのが「 金(ゴールド)などの現物資産、株式、そして不動産 」です。
物価が上昇すればこれらの資産もその値段が上がるので、インフレの影響を受けにくいのです。
そして、不動産を購入するときに多くの人は住宅ローンを組みます!
住宅ローンは借金ですが、インフレによってお金の価値が下がるということは「 借金も実質的に少なくなる 」ということになりませんか?
特に 「 固定金利であれば 」 仮に物価上昇に合わせて世の中の金利が上昇したとしても 利息負担は増えま せん☆彡
もし 「 物価が2倍に上昇 すれば、何もせずとも 借金が半分に減る!? 」ようなものですね。
したがって理屈の上では現在のような 「 低金利のときに固定金利で住宅ローンを組んで不動産を所有する 」ことは インフレ対策 になるということなのではないでしょうか。
賃貸住宅の場合は物価が上昇すれば家賃も上がると考えられます。
収入がある場合は物価上昇に合わせて収入も増えるはずですが「 リタイアしたあとにインフレが起きてしまうと 」それまでに貯めたお金の価値が下がってしまうので「 インフレによって生活が苦しくなる可能性 」 もあります!
このような感じで、インフレと住まいは実は密接につながっているようです。
【 インフレと不動産の関係( 物価上昇と現金資産、賃貸住宅 / 持ち家と住宅ローン ) 】
物価上昇 ↑ 上昇 生活コストの上昇
現金資産 ↓ 下降 預貯金価値が減少
持ち家 ↑ 上昇 不動産価格の上昇
住宅ローン ↓ 下降 借入負担の減少
賃貸住宅 ↑ 上昇 家賃上昇の影響
長くデフレが続いている日本では、インフレが起きることはないのでしょうか?これだけ長くデフレが続くとなかなか実感が沸かないかもしれません。
しかし、過去をさかのぼると日本でもインフレはあったようです。
第1次オイルショック(石油危機)が起きた1973年の消費者物価指数は前年比+11.7%、翌74年は23.2%と急激に物価が上昇しています(図表1の青線CPI部分参照)。
また第二次世界大戦直後の日本では、戦争で経済が疲弊した上に巨額の財政支出が必要となり、なんと1945年から1949年までの4年間で卸売物価は70倍に上昇したそうです。
図表1)実質GDP成長率、消費者物価指数(CPI、前年比)、非正規雇用比率の推移
さすがに今の日本が戦争になることはあまり考えられないかもしれませんし、今すぐに急激なインフレが起きるような状況ではなさそうです。
しかし、最近は原油や原材料の高騰により、ガソリン価格や食品、その他さまざまな製品で値上げが続いているようです。
インフレと住宅の関係を知っておくと、住まいや住宅ローンの考え方も少し違って見えてくるかもしれませんのでご参考にしていただけると幸いです。
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